2014/09/27

Novation LAUNCH CONTROL XL

入手してから分かった事も多かったので、レビュー記事をアップしてみました。
購入を検討されている方の参考になれば幸いです。







||||| 外観、付属品 |||||

外観は光沢のあるグレー。
ネット上の画像よりも光沢は目立つと思います。
グロッシーグレーとでも表現すればよいのでしょうか。

底面のみオレンジとなっており、全体に滑り止め効果のあるゴム加工が施されています。

付属品のUSBケーブルがL字型で、これは便利だと思います。


||||| フェーダ、ノブ、ボタン |||||

フェーダは多少重さ(抵抗)のあるタイプ。
リズミックなフェーダプレイよりも、細かいボリューム調整に向いているように感じます。
Native InstrumentsのPCDJコントローラよりも少し重い、くらいの印象です。

ノブも同じく多少重さのあるタイプ。
すべてのノブにセンタークリックが付いています。
人によってはノブの間隔が少し狭いと感じるかもしれません。

ボタンは押し込む際に、コリっとした引っかかりのような感触のあるもの。
Ableton PUSHのミュート、ソロボタンと同系のものです。




||||| Templates |||||
テンプレートは、Factory、User共に8シーン。
同社のLAUNCH CONTROLと同様の仕様でしょうか。

Factory Templatesは、
・1、Ableton LIVEのMIDI Remote Scripteに対応したテンプレート
・2〜8、MIDIチャンネル、CC情報、LEDカラーがあらかじめ設定されている(変更不可)汎用テンプレート

User Templatesのほうは、8シーンを自由に設定可能で、ライブパフォーマンスにも活用しやすい印象を受けます。
特にボタンは、シーンを変更した際にフェーダやノブのように位置と実際の数値のずれが発生しないので、アサイン次第で、効果的なコントロールが可能になると思いました。
(例えばBeatRepeatのIntervalや、ArpeggiatorのRate、ダミークリップのトリガーなどなど..)


User Templatesでの設定可能項目は、MIDIコントローラとしては基本的なものだと思います。


・ノブとフェーダはCCのみ設定可能

・ボタンはCCとNoteも設定可能
・ボタンの振る舞いは、"押すたびにオンオフ" (Toggle)と"押したときだけオン" (Momentary) の二種
・ノブのLEDカラーは、エディターで設定可能
・ボタンのLEDカラーは、DAW等からのFeedbackで有効となる仕様(LAUNCHPADユーザにはお馴染みの仕様だと思います)


Factory Templates 1では、新たな設定の必要なく、ボリューム、パン、センド、ミュート、ソロ、アーム、とデバイスのほぼ全てのパラメータにアクセスすることができるようです。(いくつかのインストゥルメントで、アサインされていないパラメータがありました)


ラック内のデバイスにもコントローラで手が届く仕様は、PUSHと同じような操作感ですが、PUSHが本体表示でどのノブに何がアサインされているのかを事前に確認できるのに対し、LAUNCH CONTROL XLではノブを動かしてみなければ分からないので、その点は注意が必要な気がしました。


もう一つ操作上、気になった点。
Ableton LIVE用のコントローラの多くは下の画像のように、現在コントロール可能な範囲がLiveのセッション画面上に黄色枠となって表示されていると思いますが、
LAUNCHCONTROL XLの場合、クリップをコントロールする機能が無いためか、枠では表示されずLive画面下部のステータスバーにメッセージとして表示されます。どのトラックが選択されているのかが視覚的に分かるようにはなっていません。ライブパフォーマンス中にコントロールするトラックを変更しての操作は、かなりの慣れが必要な気がしました。









また、これはLIVE側の問題だと思いますが、シーンの切り替え等によって、ハード側で数値が変わった場合、テイクオーバーモードが作動しないという現象が起こりました。

LAUNCHCONTROL XLのようなコントローラをフル活用する場合には、非常にネックになる問題です。
仕様なのか、個人の環境の問題なのか、原因特定に努めたいと思います。(仕様じゃなければいいのですが..)


|||||まとめ|||||
幾つか気になる点も指摘しましたが、ライブセットでは、デバイスやトラックへのアクセスを容易にすることが前提だと思うので、(テイクオーバーモード以外の)これらの点は解決されると思います。
主にライブでの使用の為に購入しましたが、手元に設置しやすいコンパクトさで、基本的な操作子に簡単にアクセスでき、ラック内のデバイスにも手が届く仕様は、制作にも積極的に使用してみたいという気持ちになりました。
感覚的にオートメーションを書く機会は確実に増えるでしょう。


ノート入力やクリップコントロールの機能は備えていないので、他のコントローラと併用することで快適な操作環境を構築できるコントローラだと思います。

LAUNCHCONTROL XLの比較機種としては、
Livid Instruments DS1
Livid Instruments Alias8
が挙げられると思います。サイズ、端子数、デザイン、価格、設定の自由度、の何れを優先するか非常に悩ましく感じます。Livid Instruments機種は機会があれば是非試してみたいですね。

また、
ALLEN&HEATH K2
VESTAX VCM-600
比較機種として挙げれると思います。オーディオインターフェイス内蔵(K2)、多数の操作子(VCM-600)等、魅力的な機能を持ったコントローラですが、この2機種に関しては、エディターが存在しない(CC設定が固定されている)という点を留意して比較検討していただければと思います。